2017.5.6 第四回「蔦の会」
清元「流星」 坂東ありか

七夕の夜、牽牛と織女が年に一度の逢瀬を楽しんでいるところに天上界の情報屋とでもいった流星が「ご注進!」と飛んできて、雷の夫婦喧嘩の一部始終を報告するというユニークな趣向の舞踊です。

その一部始終とは…雲の上から端唄のお師匠さんの家へ落っこちた雷が仕方なく居候し、端唄を覚えて天上界に帰ります。そこで気持ちよく端唄を唄っていると、雷の女房が呆れ果てて…と、どこかの家庭でも聞いたことがありそうなやり取りが繰り広げられていきます。雷の亭主、女房、子供、婆の四役を一人で踊り分けての仕方話が見どころです。初演は安政六年(一八五九)。作者は河竹黙阿弥。作曲、清元順三。
今回は牽牛と織女の演出を省いた、流星の独演でした。


©坂東ありか

 

2017.5.6 第四回「蔦の会」序幕
清元「卯の花」 坂東ありか

「卯の花」は卯年の初春に発表された歳旦浄瑠璃で、江戸情緒あふれる深川、向島界隈の四季の風物を詠み込んでいます。 卯の花を雪に見立てて「兎」をつくる、という洒落た歌詞にはじまり、江戸っ子が高値を競う初松魚を来るか来るかと待つ姿、深川の遊離風情に転じて夏を語り、「千種の花が」で秋の風景を、冬に向かう向島の景色や年の瀬の賑わいから初春までを唄っています。陽気で軽妙な曲趣ですが、「ご祝儀もの」として素踊りで品よく踊ります。


©坂東ありか